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確定給付企業年金(かくていきゅうふきぎょうねんきん)

解説

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2002年4月から施行された確定給付企業年金法に基づく企業年金のこと。確定給付というのは、給付(将来受け取る年金額)が確定しているという意味で、企業が掛け金を拠出し、運用会社に委託して資産運用して、将来必要となる年金原資(積立金)を準備する制度です。株価が下落するなどして、積立金が厚生労働省の定める基準を下回ると、企業は追加の掛け金を拠出して、不足分を穴埋めしなければなりません。英語表記(Defined Benefit)の頭文字を取ってDB(ディービー)とも呼ばれます。不足分を拠出しなければいけないような株価の下落局面は、総じて景気が悪く、企業の経営環境も厳しい場合が多いため、DBを安定的に運営できるのは、ある程度、規模の大きな企業に限られます。また、グローバルに活躍する企業が導入を進めている『国際会計基準』は、年金積立金の不足額を決算に反映させるように求めています。このため、大企業であっても、企業年金をDBから、従業員が資産運用のリスクを負うなど、企業負担の小さい確定拠出年金(DC)に移行する動きが強まっています。

ひとくちメモ

DBの中には、積立金の運用基準を国債の金利などに連動させることで、企業負担を軽減した『キャッシュバランスプラン』があります。さらに、厚労省は掛け金拠出の仕組みを弾力化したり、給付設計を柔軟にしたりすることができる新しいDB制度を導入しました。

情報提供:株式会社時事通信社